講座:奥の細道―古人とともに生きるⅤ
2009年 08月 02日
「言葉は残る」「心は焼けない」という話を枕に、従来の教わっている常識を疑いながら、古人とともに暮らして、自分の知らない自分をも唄えるようお願いした。結局「俳句のすすめ」になったかもしれない。
配布した資料は『おくのほそ道』の旅の大石田(山形)で巻いた「五月雨を集めて涼し最上川」歌仙と、その歌仙式連句の構成図である。話した(かった)項目を挙げれば、以下の通り。
1.俳句は十七音の歌である。
2.俳句は今も連句の発句である。
3.芭蕉の生涯に四〇〇に近い連句(付合)が残っている。
4.『おくのほそ道』の旅でも四〇に近い連句(付合)が試みられている。
5.連句には俳句(史)のすべてがある。
6.連句を知らずに、俳句を語る人を信用しない。
7.俳句を知らずに、連句を語る人を信用しない。
8.季題(季語)や切字は俳句固有の条件ではない。
9.挨拶・滑稽・即興は俳句でなく連句の性格である。
10.子規の連句否定論理は的外れだが、俳句の隆盛に大きな働きを見せた。
11.写生は景気と同じく、直叙を避けるという描写論。明治に始まったことではない。
終了後、この企画の万端をととのえてくれたYさん、Nさんと打ち上げの一献。
今夜は三日月と聞いて、さがすのをやめた。