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この人の一首◆中川英子

  吊橋は二つの川の合ふあたり人の渡ればゆらゆら揺れぬ    中川英子

 この歌は『朝陽』(七月刊、渓声出版)による。病を得たことが、今まで以上に自分を前向きにしていると「あとがき」にある。すでに歌集『夕陽』があるのだけれど、ぽつりぽつりと知己の歌集が送られてきて、読んでいるうちに、自分ももう一冊の歌集を編みたくなったともある。自分史であろう。巻軸は「皆さんに感謝の気持伝へたく写真も載せて思ひ出にせむ」と結ぶ。二十数年前になるだろうか、私の勤めていた高等学校に教育実習でやってきた英子さんが脳裏によみがえる。多芸多能は芸術家であった父君の血をひくか。その力で病を追いやってもらいたい。
by bashomeeting | 2009-08-10 06:02 | Comments(0)

芭蕉会議の谷地海紅(快一)のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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