言葉は公器、占有はあり得ない
2009年 12月 05日
……こんなヘンなことを書く方がいます。
読んでみると、小澤實さんの「作句のポイント 名句まねるべからず」という文章で、主旨は、名句に学ぶことは俳句上達の近道だが、表現を転用してはいけないというもので、その例として「まつただなか」という言葉はすでに、
銀杏散るまつただ中に法科あり 青邨(露団々)
という名句があるので、この「まつただなか」を使うと、青邨句の真似になってしまうから使うなということのようであった。ボクは答えた。
……私は俳文学研究を志しているころの小澤さんを知っているので、こんなことを書くとは思えないのですが。短い文章なので、意を尽くせなかったのではないだろうか。
言葉は公器。使っていけない言葉などないし、この句について言えば、著名な句であるが、すこしも佳い句ではない。
なお、Tさんは長く国語の先生をされてきた俳人である。