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闇を見よとや4◆生きる力※

 旧臘法事で雪の郷里に戻った。その際の法話の一節が耳について離れない。
 …… 死んだ人には何事も手遅れである。
 まことにその通りであるが、これは、ひごろ浄土思想を説いている遁世の人が、法事の席で言うところに深遠なる意味があろう。よく生きよというのである。
 仮に天があるとして、天命は人の力の及ばざるところともいう。人が行なうべきかぎりを尽くすのが人の道(humanity)と言ったのは宣長であったろうか。落葉をかいて堆肥をつくるように、みな寄せ集めてかみしめるべきことば。芭蕉も、「諸善諸悪皆生涯の事のみ、何事も何事も御楽可被成候」(元禄三年七月十七日牧童宛)という。欲するままにという意味ではない、たぶん。念のため。

〔牧童〕 立花氏。研屋彦三郎。加賀(金沢)の人。『おくのほそ道』の旅で芭蕉が世話になった北枝の兄で、加賀藩の御用(研師)を勤めた。芭蕉に師事する前は宗因に俳諧を学んだと伝える。
by bashomeeting | 2010-02-18 12:40 | Comments(0)

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