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本意◆秋大根は辛いものでした

 六月十八日(金)の「かげろう金曜会」で、『更科紀行』を読み終えた。その際、

  ひよろひよろと尚露けしや女郎花

における姿態のなまめかしさは、この木曽路に限られたものではなく、本来女郎花が持ち合わせているものである。したがって、この句を木曽路に特化して解釈する必要はないだろうと話した。同様に、

  身にしみて大根からし秋の風

における大根を〈木曽路には「からみ大根」と称する味のからい大根を産したという〉(新潮日本古典集成『芭蕉文集』富山奏)というふうに、この地に特別なものとして解説するのはいかがなものか、とも話した。辛い大根は信濃に限ったものではなかろうと思ったのである。旅に食した大根の辛さは秋風同様に身体に応えたというふうに読めばよろしいと思ったのである。座談の時間になって、信濃育ちのケサイさんが話してくれた。〈「からみ大根」という名は最近のものです。秋大根は辛いものでした〉。
 ちなみに季題にいう大根の季節は冬である。
by bashomeeting | 2010-06-19 08:06 | Comments(0)

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