こんなものを食べた◆チューブ入りヨーグルト

　七月の最後の週に、研究室で二度の卒業論文指導の会を行った際に、蕪村研究をしているエミコから次のような物をもらった。昼食に買い求めた物だが、お昼は友だちと学生食堂で済ませてしまったので、置いていくから食べてみてということだった。
　パッケージには、〈「morinagaおいしく！楽しく！」「らくらくハンディヨーグルト」「ぶどう ふるふるゼリー入り」「果汁１％」「カルシウム いきてる乳酸菌」「ギユウッと食べちゃおう！」「はっ酵乳120％」〉とある。いったいどこまでが製品名であるか、食べてしまった今もわからない。自家製のヨーグルトを、甘く、うすめた感じで、とてもおいしい。でもボリュームはないから、若い娘がこんなもので昼食を済ませては日本の将来が心配だと思った。加えて、こんなものを昼食の代わりにとるようでは、しっかりした卒業論文も書けないと思った。でもすぐ、われながら少し大げさな感想だなと反省した。そして、むかし医者の友だちが、〈身体に必要な乳酸菌は市販のヨーグルトではまかなえない〉と言っていたのを思い出した。ボクらの学生時代に比べるときわめて成熟した世の中のように見えるけれど、学生が経済的に決して豊かではないという点は今も昔もかわらないにちがいない。

　　ヨーグルトくれて帰る子夏休み　　　海 紅