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百閒の芥川観◆あんまり暑いので、腹を立てて死んだのだろう

 切り抜きが出てきた。七月二十四日(土)の『読売新聞』のコラム「編集手帳」である。なぜ切り取って置いたかといえば、この日が芥川龍之介の忌日で、芥川の自殺を知った内田百閒の感想が載っていたからだ。百閒は、〈あんまり暑いので、腹を立てて死んだのだろう〉と述べたという。芥川が百閒にどう見えていたかがわかって、なんとなく納得してしまう。芥川が死んだ昭和二年(一九二七)も猛暑で、〈気温は35~36度とか〉であったらしい。しかし芥川よ、腹を立てて死ぬことはあるまい。もしそうだとすると、俳号我鬼という短篇作家の君に俳句という詩型は不向きである。なんとなくそう思う。そうだとすれば、芭蕉の死に材料をとった『枯野抄』を、暑さに腹を立てて死ぬ作家の書いた作品として読み直さねばならぬ。
 暑いことは暑いが、ボクはこれから新潟の村上に出かける。ここは芭蕉が『おくのほそ道』には書かなかった地なので、一度も出かけたことがなかった。このたび、卒業生が年に一度誘ってくれる旅で、長年の夢がかなうことになる。

  一瞬は美しきもの流れ星    中川久里子
by bashomeeting | 2010-08-28 06:55 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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