人気ブログランキング | 話題のタグを見る

国立劇場:国性爺合戦◆めずらしい〈通し狂言〉

 11月5日(金)、国立劇場へ近松の国性爺合戦を観に出かけた。かげろう金曜会の企画である。
 早めに家を出て、めずらしく、つまり有楽町線を使わず、山手線の高田馬場から東西線に乗り、九段下で乗り換えて半蔵門駅から地上に出る。いつものように弁当屋「レタス」で百円のおにぎりを二個食べて、カフェ「ラハイナ」でコーヒーを飲んで劇場へ。去年まで劇場外に設置していた喫煙所はなくなっていた。
 席は2階6列16番。国性爺合戦は全五段で、芝居は三段目の獅子ヶ城の場がほとんどということだが、このたびは序幕「大明御殿の場」「肥前国平戸の浦の場」、二幕目「千里ヶ竹の場」を置いていて、近松のストーリーをかなり忠実に追うことができる。それが通し狂言と謳っている自信だろう。かげろう金曜会で読破した作品だが、読書ではつかみがたい衣装の華やかさにまず満足した。團十郎の和藤内(鄭成功)、藤十郎の錦祥女は言うに及ばずながら、左團次の老一官、中村東蔵演じる母の渚、中村亀鶴演じる栴檀皇女もよかった。私の好きな小むつ(和藤内の妻)に出番がなかったのは残念。なお、ラストシーンで自害する錦祥女と渚をいつまでも舞台に置いておく演出は間違いであり、失敗であると思った。
 帰途、誘われて隣のホテル「グランドアーク半蔵門」のラウンジ「LA MER」で浅酌。東京の黄昏をゆっくりとながめた。

   国性爺合戦を観て秋惜む    海 紅
 
〔国性爺合戦〕近松門左衛門作の人形浄瑠璃(時代物)の一。明朝の臣下鄭芝竜が日本に亡命して、日本人の妻との間にできた和藤内(鄭成功)という息子が、台湾を拠点に展開した明国復興運動の話。大坂、竹本座の創始者竹本義太夫が没した翌年、つまり正徳5年(1715年)に竹本座で初演、三年越し十七ヶ月のロングランとなった作品。台湾や中国で英雄視されて現在にいたる。
by bashomeeting | 2010-11-06 11:11 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


by bashomeeting