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新方丈記4◆祈る

 平成二十三年三月十一日、午後二時四十六分ごろに起きた三陸沖を震源とする巨大地震は、茨城や静岡の近海をはじめ、内陸におよぶ多数の地震を誘発し、まもなく半月が過ぎようという今も余震がまた襲っている。『方丈記』に残される元暦二年(一一八五)の地震は、少なくとも三ヶ月のあいだ続いたというから、このたびはそれ以上を覚悟しなければならないだろうし、堆積(たいせき)される被害の報道に長く胸を痛め続けることになろう。
 高さ二十メートルを超える大津波、そのしぶきは三十メートルに達したいう報道があり、また高さ以上に、押し寄せる波の強さがこの悲劇を拡大したとも伝えられる。それが漁船や乗用車、トラックや家屋をのみ込んで沿岸の町々を襲い、空港を押し流し、線路や高速道路を損壊させた。やがて火の手があがり、戦禍のごとき街並みの惨状に傷ついた心は、制御不能に陥った原子力発電所の爆発がもたらす汚染によって、さらに追い打ちをかけられている。行方不明の親や兄弟姉妹を瓦礫(がれき)の下に残して、後ろ髪を引かれる思いで故郷を離れてゆく人々の姿は正視するにしのびない。
 震災の難を逃れた者が安易に口にすべきではないが、このたび被災された人々が、心の内なる故郷を励みとして、来たるべき復興に立ち向かわれるよう、衷心より祈る。

  集まりに海女も四五人ゐしと聞く  素十
  国貧し大学貧し卒業す        同
by bashomeeting | 2011-03-24 10:44 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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