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いま〈大震災を詠む〉ということの是非

 すっかり世間に疎くなっているので、伝聞にすぎないが、最近の新聞や雑誌に、俳句・短歌や詩によって〈東日本大震災を詠む〉を詠むという企画が登場して、その是非について議論が絶えないという。その争点には、被災者でない者が震災を詠むのは不謹慎という道徳律が含まれるか。とすれば、それは詩歌を一人称のもの、自分のことを詠むものと矮小化してしまった「近代」という病理による。
   鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分哉   蕪村
 こんな句を引くまでもなく、詩歌は時空を簡単に超える。よって、詠む主題に他者が制約を与える必要はない。よい句が生まれれば(これがつねに難しいのだが)、作者も被災者もなく受け入れられ、共有される。自分の作品に対する褒貶には耳を傾ける謙虚さが必要だが、他者の詩歌の主題にとやかく介入してはならない。
 被災者の中には、ボクにも親しい人々が幾人もいるし、近々そうした話題を避けることができない仲間と句会も予定されている。よって考えを整理してみた。
by bashomeeting | 2011-06-20 11:00 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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