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この人の一句◆井田美知代『雛納』

子が泣けば乳が張り来る雲の峰
いちにちを鎮めていたゐたり冷奴
病めば見ゆ来し方のこと冬日向
夢で逢ふひとはしづかや大根煮る
木の実など散らすままごとうつくしき
早蕨の京のことばで売られをり
踏めといふキリストの顔夏の月
十人の赤子のやうに桃届く
百年を立ち話して冬欅
散らかして片付けてをり十二月
七草の名のやさしさを洗ひけり
寒紅をさしてやる娘の成人す

〔解題〕井田美知代句集『雛納』。氏は若くして平井照敏の講筵に列して詩歌を学び、ほどなく俳誌『槙』に入会。照敏長逝による『槙』解散後は鈴木章和の『翡翠』同人。俳人協会会員。平井照敏が「序詩」として「ヘレン・ケラーの言語論」を寄せ、巻尾に鈴木章和による解題「光を包んだことば」、井田自身による「あとがき」がある。ふらんす堂、平成16年9月刊。
by bashomeeting | 2011-06-24 09:57 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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