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海紅山房日誌

kaicoh.exblog.jp

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。

頭脳の初期化

 数ヶ月ぶりに書斎の紙ゴミを整理した。次の仕事が、どこにどれほどあるか分からない状態なので、処分せざるをえない。これは、数ヶ月ぶりに、紙ゴミの振り分けができるほどの時間を捻出できた一日というふうにも言える。
 捨てる紙ゴミから、東京新聞のコラム「筆洗」の切り抜きがヒラリと舞った。いつのものか記録がないが、読んだ直後は保存のつもりだったのだろう。そう思った過去に敬意を払って一読すると、内容は以下のように要約できる。
 ……ギリシャのイソップ寓話。留守中に、牛に赤ん坊を踏まれてしまったヒキガエルの母親の話。母親は自分の腹をふくらませて、その赤ん坊を踏んだ動物はこんなに大きかったかったかい、と尋ねる。子どもたちは母親に「やめてよ。それ以上ふくらませないで。あいつの大きさに近づく前に、母さんが破裂しちゃう」と制止する話。
 そしてコラムは次のように結ぶ。〈生きとし生けるもの、それぞれの容量があるということ。どんなに豊富な水があっても、飲む者の体以上には飲めないのだ。情報の量と、それを飲み込む人間との間にも似たような関係があるだろう〉。
 読み直して、切り抜いた当時の気持ちがよみがえった。ボクの机辺が、まさにこのヒキガエルの母状態。書斎にあるべき空間も時間も、すでに飽和段階に入って久しいのかもしれない。情報がいくらあっても、それを整理思考する時空が奪われていては意味がない。思考の欠片である紙ゴミなど、きれいさっぱり捨てるべき時期が来ているのかもしれない。頭脳の初期化をすべき時が来ている。
by bashomeeting | 2011-11-06 16:58 | Comments(0)

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