隣人の言葉◆死んだら、ゼロになりたい(大田美和)
2012年 02月 15日
大田:あの世があったら、怖いです。地獄でも、天国でも、怖いです。美輪明宏さんが言うみたいに、みんな気体になっていて、誰が誰だかわからないならいいですが、人間の形をしていて、またイヤなやつに会うとか、序列があったり、付き合いがあったりとか、そういう形の死後の世界があったら、とても、とても怖い(笑)。死んだら、ゼロになりたい。
―〈[大田美和]への99の質問〉より抽出―
【解題】 「[大田美和]への99の質問」は文芸誌『北冬』№013(2011.12 北冬社)所収。〈特集◇[1000年の言葉]の向こうへ〉という企画で、この号は大田美和(歌人・英文学者)が責任編集。質問のなかで、「自分の歌で、好きな一首は?」という問いに、「終わりがあると知ればなおさら天翔る得意絶頂の歌にひかれる」という〈シューマンの音楽と生涯を念頭に置いて作った歌〉をあげている。