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坂本宮尾さんの御活躍を祈って

 現代英米演劇を講じていた桑原文子先生が、定年を待たずに退職。その挨拶で、日本の大学の休暇中にアメリカに出掛けても、存分に芝居を鑑賞するのは難しいということを教えられた。時期がずれているのだ。退職後はその支障がなくなることを喜んでいた。

 先生は青邨に師事した俳人で、俳壇では坂本宮尾という。「宮尾」はミヤオと読む。猫の自由さを好んで、その鳴き声から命名。「句会で名乗るたびに気恥ずかしいが、これで猫の仲間入りができるなら仕方がない」(「猫」)と書き、「おしゃれなシャム猫になるのは無理として、私は勝手気ままなノラ猫でありたい。そして、できれば長靴を履いた猫、はたまた猫型ロボットのドラえもんを親友にもちたい」(同)ともいう。ねっから「俳味」の人である。職場で俳人を匂わせず、英文学者の顔で通した自分を、隠れ切支丹と呼んで笑っていた。お別れに角川選書版『杉田久女』(角川学芸出版)と、句集『この世は舞台』(蝸牛社)をいただいた。前者は平成十五年に富士見書房から出た好著の選書化。手書きの栞に「これからは俳人として、よろしく」とある。さて、似非隠遁者みたいなボクに、そんな機会があるだろうか。

  橋あれば卒業の日の父のこと   宮尾

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by bashomeeting | 2012-03-28 11:27 | Comments(0)

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