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隣人の言葉◆光について莫大な知識をもっていても、暗闇は照らせない(秦恒平)

 光について莫大な知識をもっていても、暗闇は照らせない。われわれの人生は暗闇なのである、概して。そんな中で知識の切り売りのようなことばかりしているインテリでは、我が身一つも癒すことはできず照らすこともできない、ということを痛感していた。哲学も宗教も科学も、真に照らす光は放っていない、光の知識をひけらかしてばかりいる。それでは間に合わないと、わたしは思って、じっと自分の身内を、その闇をのぞき込んでいたが、かなしいかな、わたしは、まだまだ闇そのものでしかなかった。自ら発光していない。なにも分かっていない。手を引いてくれているのはバグワンだけであった。


〔秦 恒平〕はた こうへい。小説家。昭和十年(一九三五)京都市生。同志社大学大学院中退。上京して出版社勤務。「清経入水」で太宰治賞。「廬山」で芥川賞候補。職を辞して、東横学園女子短期大学(非常勤講師)、東京工業大学(客員教授)を勤める。日本古典に詳しく、それをモティーフとした文章多し。谷崎潤一郎に傾倒、漱石『こゝろ』の解釈に新説あり、小森陽一説を評価。自著を「湖(うみ)の本」として会員頒布。この文章はその「湖の本」111、『千載和歌集と平安女文化 下』(平24.4.5刊)のあとがき「私語の刻」による。
by bashomeeting | 2012-04-09 19:03 | Comments(0)

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