隣人の言葉◆光について莫大な知識をもっていても、暗闇は照らせない(秦恒平)
2012年 04月 09日
〔秦 恒平〕はた こうへい。小説家。昭和十年(一九三五)京都市生。同志社大学大学院中退。上京して出版社勤務。「清経入水」で太宰治賞。「廬山」で芥川賞候補。職を辞して、東横学園女子短期大学(非常勤講師)、東京工業大学(客員教授)を勤める。日本古典に詳しく、それをモティーフとした文章多し。谷崎潤一郎に傾倒、漱石『こゝろ』の解釈に新説あり、小森陽一説を評価。自著を「湖(うみ)の本」として会員頒布。この文章はその「湖の本」111、『千載和歌集と平安女文化 下』(平24.4.5刊)のあとがき「私語の刻」による。