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この人の一句◆甲斐由起子句集『雪華』

闘病の髪の伸びたる月明り
あたたかき母のてのひら星月夜
死に近き母と富士見る小六月
母の死のたまゆらに雪かをりくる
未明の雪死者と生者とひとつ間に
雪に焼くははそはの母よさやうなら
涙目となるまで仰ぎ冬青空
大往生といふほかはなし冬の梅
青空を取り戻したる雪解かな
水草生ふ川幅狭くなりにけり
白樺を風のぼりゆく五月かな
荒野とも花野とも見えオホーツク

〔解題〕甲斐由起子句集『雪華』。書名はセツカと読む。雪の結晶つまり、六花(りつか・ろつか)に同じ。
ふらんす堂、平成24年7月刊。
by bashomeeting | 2012-08-15 10:36 | Comments(0)