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七日の月◆civil wedding

 十月二十一日(日)、新幹線つばさで山形へ日帰りの旅をした。目的はtakeshi+ai君の結婚を祝うこと。式場はPalace Grandeur(山形市荒楯町)。人前結婚(civil wedding)というのは初めてだった。異なる宗教が混在する多民族国家ではよくあるカタチだという。それで、式次第がキリスト教会でのそれに似ているのだろう。

 招待状に祝辞の依頼が入っていたので、それなりの心づもりをして出かけたのだが、その話はやめて角田光代の「はじめてのちいさな旅」という小文を朗読することに。往きの電車で目にした、新幹線車内サービス誌『トランヴェール』10の巻頭エッセイだ。はじめて家族と離れて旅をする子どもの、不安と誇らしさが入りまじる心を描きながら、じつは一人旅をするほどに成長した子どもにほっとしながらも、一抹のさみしさを覚える大人の側へと筆をすすめてゆく文章で、まるで結婚する二人に贈ることばのように思えたのだ。この文章には地球上のすべての親に共通する思いがこめられている。手塩にかけた子がひとり旅をするまでに育ち、結婚後はふたり旅になる。二人だから二倍の力を得たかのようにも見えるが、どっこい世の中はそれほどシンプルではない。困難にぶつかるときは、ゆっくり大人になってゆく子どもの背中を、だまって見守っていた親心を思い出せる人間であってくれよ。そんな話をしたつもり。

  秋雨の降つたりやんだり結婚す

 話は前後するが、山形へ行く電車のなかで、sanaeさんからのメールをうけた。一日早く出かけて、結婚式をひかえる新郎と立石寺(山寺)に登ったという報告に添えて、「お昼過ぎまで降ったり止んだりのお天気予報です。会場でお待ちしています」とあった。それでこんな句ができた。sanaeさんの作にしたほうがよいかもしれない。

 ホテルを出ると、七日の月がかかっていた。昨夜の薪能を思い出した。帰路の新幹線まで小一時間あったので、もう一度新郎に会う予定というA君をさそって、駅前の「キッチン豆の木」(香澄町1)という店へ。「電車待ちの三十分です」というと、あるじが「殿様のだだちゃ豆」(300ml)というお酒を出してくれた。その名の通り、だだちゃ豆の濃厚な香りがした。山形大学農学部共同開発商品だという。黙っていたら、あけびの皮の味噌和えと、肉厚でやわらかなエイひれが出てきた。

 
by bashomeeting | 2012-10-22 12:34 | Comments(0)

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