人気ブログランキング | 話題のタグを見る

講読の時代を懐かしむ

 12月21日(金)、かげろう金曜会(古典講読の会)で松尾芭蕉の文章を読み了えた。初回が平成21年(2009)5月15日(金)のことだから、3年と8ヶ月かかったことになる。

 ところで、大学はいま似非セメスターの時世で、何でも半年の突貫作業で済ませられるという信仰が広まりつつある。カリキュラム次第でそれが可能であるという主張なのだろう。だが、経験的に言えば、学問は人のなせるワザであって、カリキュラムがもたらすものではない。ボクの生家は小さな町工場であったが、中学を出て年季奉公にやってきた少年が一人前の職人になるには、ボクの父と寝食を共にする五年の歳月が必要であった。マニュアルで人をしばっても、前途有為の後継は育たないのである。三年、四年かけてでも、古典を読みたいという時代が懐かしい。将来的に、講読という言葉と時間を取り戻そうとする時がやってくるはずだが、ボクらの時代にはむずかしいだろう。

   恋仲の小さきクリスマスケーキ   西谷たつを
Commented by ゼミ生熊崎徹典 at 2012-12-24 15:59 x
ブログがクリスマス使用になっていますね。
いよいよ年末という感じがします。

人間という不完全なものが、マニュアルという完全なものに
縛られたら面白くないと自分は考えます。
その点で、先生の講義は素晴らしいと思います。

Commented by bashomeeting at 2012-12-24 19:51
クマさん、人をそうまっすぐにおだてるものじゃネエゼ、照れるじゃないか!とはいえ「人間という不完全なものが、マニュアルという完全なものに縛られたら面白くない」とは名言、見直したぜ。よいお年を。
Commented by ゼミ生熊崎徹典 at 2012-12-28 21:02 x
先生こそ、よいお年を。寒いのでお風邪などひかれませぬよう。

来年こそは精進したいです。
by bashomeeting | 2012-12-24 12:09 | Comments(3)

芭蕉会議の谷地海紅(快一)のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


by bashomeeting