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教材◆閉関之説語釈

1.閉關之説=門を閉めて交流を絶ち、閑居することについての考え。
2.色=情欲。『論語』(季子第十六の七)に、若いときは情欲に、壮年には闘争心に、老いては物欲に注意せよという教えがある。
3.五戒=仏道における五つ(殺生・盗み・姦通・虚言・飲酒)の戒め。
4.あやにくに=ままならなくて。形動「あやにくなり」の連用形とみる。このあたり『徒然草』240段の影響下にある。
5.あはれなるかたがた=情趣豊かな側面(『徒然草』240段参照)。
6.くらぶ山=暗部山。闇部山。「暗し」の意味で諸々にあり、特定できないという。歌枕。梅の花は闇の中でもはっきりわかるという意の「梅の花にほふ春べはくらぶ山闇に越ゆれどしるくぞありける」(貫之・古今・春一)を踏まえる。
7.下ぶし=下臥し。物の下に臥すこと。ここは逢瀬。
8.おもひの外の匂ひにしみて=はげしく恋のとりこになって。
9.忍ぶの岡の人目の關ももる人=人目を忍ぶ恋を妨害する人目(『徒然草』240段参照)。
10.あまの子=海人(海士)の子。遊女。「白波の寄する汀に世を過す海士の子なれば宿も定めず」(和漢朗詠集・遊女)。
11.老いの身の行末をむさぼり=年老いてなお物欲にとらわれる(『徒然草』7段参照)。
12.人生七十を稀なりとして=「人生七十古来稀なり」(杜甫「曲江詩」)
13.はじめの老=初老。40歳(数え年)。昔は初老の賀として長寿を祝った。
14.くづほれて=衰弱して。
15.煩惱増長して一藝すぐるゝもの=「才能は煩悩の増長せるなり」(『徒然草』38段)。
16.溝洫=こうきよく。田の間のみぞ。
17.南華老仙=死んで仙人になった荘子の呼称(『三国志演義』)。
18.人來れば無用の辨有=『徒然草』170段参照。
19.尊敬=孫敬。「孫敬字は文宝、つねに門戸を閉ぢて書を読み、睡れば即ち縄を以て頸に繋ぎ、これを梁上に懸く」(『蒙求』)。
20.杜五郎=中国頴昌の人(『宋史』)。「門を出でざること三十年に及んだという」(『校本芭蕉全集』6)。「杜五郎とやらんをまなばねど、この山に入りてのち二十年にもなりぬらん…」(木下長嘯子『うなゐ松』)。
by bashomeeting | 2013-03-13 07:30 | Comments(0)

芭蕉会議の谷地海紅(快一)のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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