昨日は卒業式だった。証書授与の席では、あいさつ(卒業生にむけて贈ることば)を、その年の学科主任が引き受けるのだが、昨日のAm先生の話はフランス文学専攻の学者にふさわしく、「カミユを教材にして不条理を考える」という内容であった。ボクも卒業生と同じ神妙な気持ちで聞きながら、この「海紅山房日誌」というブログをカミユの『異邦人』で始めたことを懐かしく思い出していた。それは平成十八年(2006)八月七日のことで、「やさしい無関心」という題目であった。早いもので、あれから六年と七ヶ月が過ぎた。卒業生に幸多かれと祈る。
ものの芽の風にとかれて明るしや 海紅