人気ブログランキング | 話題のタグを見る

この人の一首◆平光敬晴歌集『海 遥かなり』

   キリスト再臨
直ぐ来ると言ったあれから二千年来る氣ないならはっきり言って
千年も石よお前は黙って居る神は本当にあるのだろうか
戦争に国家命令出しながら素知らぬ顔の国は危うし
我国の国旗の色を貶めて赤い日の丸を人の血という
我国の国旗の色を貶めて白地の部分を人の骨という
国旗をば踏めよと教える教師あり皆沈黙す何に怯えて
原爆を落としてみたいニューヨーク夾竹桃咲く静かな真昼
命より尊いものは無いと言い牛肉を食む美味と言いつつ
人生は手品のようなものなのかある物が無く無い物がある
貧しさが宝物です父母がハモニカ呉れた焼け野が原で
私には家に帰れば三歳の腹を空かした妹マリコがいる
少年はこんな美味しい御馳走は妹と一緒に食べたいのです
年老いた継母を罵倒し恐れさせ地獄を見せた我は悪人
   いじめ自殺
父ちゃんが好きだったよと遺書にあり桜散りゆく春の夕暮れ
虐められ自殺した子が親にいうどうか父ちゃん泣かんといてと
一クラス三十人が良いというそんな先生一人でも無理
葬式に行って帰れば塩を掛けそんな事なら行かなきゃよいのだ
死ぬのなら言ってくれよと云うけれど言っているでしょ昨日も今日も
就職の氷河期なんて若者が同情よりも鞭を与えよ
番犬の首輪のごときネクタイを定年になってタンスの奥に

〔解題〕平光敬晴歌集『海 遥かなり』。内題「海 遥かなり」の肩に「亡き母に」とある。著者は昭和十五年生まれ。広島市在住。渓声出版、平成24年11月刊。
by bashomeeting | 2013-06-29 16:03 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


by bashomeeting