人気ブログランキング | 話題のタグを見る

棚倉町立図書館開館記念講演会◆「ゆきかふ」という思想 

 七月一日(月)、職場の指示でやまびこ209号で出掛け、やまびこ216号で戻るという、日帰りのせわしい旅をした。帰途の216号は偶然ながら、先週黒羽から戻る際と同じ電車だった。
 
 目的地は福島県東白川郡棚倉町。新白河駅の東南、白河の関や旗宿とほぼ同じ緯度に位置する城下町で、戊辰戦争にまつわる史実のある町でもある。

 ボクの仕事は棚倉町立図書館開館記念講演会で「芭蕉が教えてくれたこと」という話をすること。城址にあった図書館が水郡線の駅前に場所を移して新築。午前中にはそのオープンセレモニーがおこなわれ、午後にボクの講演が設定されていた。

 東日本大震災のお見舞いを申し上げ、どのような情況にあっても、新しいことが始まるのは素敵なことだという前置きをした。新築木造建築の香りは林業で栄えた歴史を持つ町らしく、家具建具の町工場の息子として育ったボクには父の匂いそのものでもある。『おくのほそ道』の白河の関と須賀川の箇所をテキストにして、芭蕉の「ゆきかふ」という言葉は人生観そのものであるという話をした。聴講してくれた人は目算で百名ほどか、町長、教育長、そして生涯学習課の人々が顔を揃えて終始なごやかな時間であった。

 新幹線の新白河駅と棚倉町を結ぶ送り迎えは学芸員のFnさんが運転する車の世話になった。彼は香道の師範格で和歌にも通じている。それで連歌俳諧という講演内容と香道の世界の近似について興味を示し、〈秘伝に触れない範囲で〉いろいろと教えてもらった。新幹線駅と図書館との間は片道四十分ほどだから、ボクとしてはたっぷり講義を受けたかたちで、心から感謝している。
by bashomeeting | 2013-07-02 09:03 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


by bashomeeting