自分というものがない◆船団の会編『俳句の動物たち』
2014年 05月 24日
夫のことを「おとうさん」と呼ぶと、非難する友人がどこに行っても一人はいる。(中略)友人の非難には「子どものことばっかりで、自分というものがない」という意味が込められているが、「自分というものがない」なんて、身軽で素敵なことではないか。(以下略) ―二村典子「父」より―
▶▶船団の会編『俳句の動物たち』2014.5刊、人文書院。「会員のエッセーによる、あたらしい読む歳時記」(帯)。イヌ・イタチ・イノシシ・ウサギなどに始まり、虫や鳥に続いて人間という一章を設けているところがおもしろい。