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話の枕◆「連歌で返す初舞台」(高知新聞コラム〈よさこい談話室〉)より

 芭蕉さんの本業は俳諧です。今は俳句が主流の時代ですから、連句と言った方がわかりやすい。その連句とは当意即妙の知的な連想ゲームです。当意即妙は、その場にうまく適応したすばやい機転のことですネ。林家木久扇さんの代表的なギャクに「雨が漏りますね/や~ね~(屋根)」とか、「これは絵ですか?/えぇ(絵)」なんてのがありますが、これが対面する二人のやりとりなら当意即妙であって、木久扇さん一人でやるよりずっと高度でおもしろい。そして、その問いが「五七五」という韻律を持ち、もう一人の答えが「七七」という韻律を持っていると、その構造は芭蕉さんの本業である俳諧(の連歌)と同じなのです。

 都議会本会議のハラスメント発言で火がついて、民主主義の舞台がいかに乱暴で未熟なものかが露呈されていますが、最近の高知市議会ではこうした狼藉とは正反対の優雅なやりとりがあった、というと驚かれるでしょうか。四国は土佐に連句(芭蕉さんの本業)を愛する友人がいて、六月二十四日(火)の「高知新聞」を送ってくれました。そこに「よさこい談話室」というコラムがあって、この日は大山泰志記者の「連歌で返す初舞台」という文章でした。

 内容は、六月の高知市議会の最終日、四月に就任し、この議会がデビュー戦で、質疑応答を終えたばかりの谷智子という新教育委員長に感想を聞くべく、短歌が趣味の岡田泰司という議員が「水無月や言論の府よ答弁席」と五七五で問いかけたところ、新教育委員長は「ただ真っ直ぐに子ら思ひつつ」と七七で返答したというのです。教育委員長ですからね、ただ子ども達のことを思って答弁したヨ、と応じたのでしょう。これで治まると思いきや、岡田氏はふたたび「水無月や言論の府よ答弁席」と繰り返す。しかし新委員長はこれにも「どぎまぎするもお手柔らかに」と七七で答えて追撃をかわしたとあります。

 おもしろいでしょう、日本にはこんな文芸の歴史が古代から現代まで続いていまして、すなわち芭蕉の本業でありました。本日の私の話はこの芭蕉さんの本業を知らなければわからないものですから、話の枕に御紹介しました。ちなみに、大山記者さんには失礼ながら、コラムのタイトルの「連歌」は「俳諧」あるいは「連句」とするのが正しい。なぜなら、連歌は歌語(和歌に用いる言葉)を用いますが、「言論の府」「答弁席」などはそれに該当しません。芭蕉さんたちの文芸「俳諧」とか「連句」とあるべきではありました。

→これは、講演「芭蕉はなぜ旅に出たか」(群馬県立女子大学国語国文学会)の話の枕に用意したものである。しかし時間の関係で、講演後の懇親会の席上で披露。2014年 06月 30日の海紅山房日誌を参照。
Commented by きょうこ at 2014-07-14 23:21 x
実はブログが出来てからお気に入りに入れててチェックしてたんです。

こんな風に書き込むのは初めてだし、もしかしたら承認されないんじゃないかなぁって思ったんですけど…

実は家族のこと、とくに子供のこととか、別れた旦那のことで凄くつらい思いをしてた時に、色々ブログをさまよってたら、こちらのブログにたどり着いたんです。

いつの間にかこの素敵なブログの世界観に吸い込まれて、なんだか私自身が救われた気持ちになれたのは言うまでもありません。

こんな風に自分が正直になれたり、凄く感謝してる思いです。

勝手にこんなこと言われても困っちゃいますよね?ごめんなさい。。。

もっともっと知りたくなったっていうのもあって、私の直接の連絡を入れておきますね。

xxvcocovxx@ezweb.ne.jp



こんなに素敵なブログの管理してるんだから、ご自身にも魅力があるんじゃないかって・・・勝手に思っちゃって、私の連絡のせておいたのはそれが理由なんです。(もし迷惑だったら削除して頂いても構いませんからね。)

ちょっと不安定な天気が続いちゃいますけど、風邪とか気を付けてくださいね。お身体ご自愛ください。
Commented by bashomeeting at 2014-07-25 20:28
拝見しました。またお尋ねください。
Commented by 履歴書の送り状 at 2014-08-11 09:12 x
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by bashomeeting | 2014-07-08 16:03 | Comments(3)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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