講演◆旅は芭蕉に何をもたらしたか― 『おくのほそ道』を軸にして―
2014年 09月 12日
すなわち、『おくのほそ道』に収められる句々は、ゆかりの地において御当地ソングのように親しまれることはあっても、芭蕉の生涯における意味が問われることは少ない。そこで、名作の名をほしいままにしている『おくのほそ道』を批判的に読みつつ、「軽み」と言われる晩年の作風に及んだ。そして、作風の変化は人生の変化であること、変化する理由は芭蕉がそれだけ自分の命に誠実であったからという結論。同じテーマで話すことが、ボク自身がより深くものを考える機会になる。ありがたい一日だった。会場の博物館はちょうど「とちぎの鉱物」という企画展をやっていた。知らない分野を覗くのもおもしろい。駅で肉の多い餃子、野菜の多い餃子を買って帰途についた。