白山句会◆神保町界隈
2014年 10月 24日
ボクは喫茶「さぼうる」の季節はずれの釣忍を眺めて学生時代を忍び、古書店を一二覗いて、駿台下に立ち止まっているeiさんに声をかけて、ひとり錦華小学校(現区立お茶の水小)に歩を進め、「明治十一年 夏目漱石/錦華に学ぶ」という碑を仰ぎ、漱石先生を同道して歩くことにした。錦華公園で、明大生と思われる二人の素人漫才の稽古を愉しみ、末枯と薄紅葉に憩い、錦華坂を下りて、遠くに笠間書院の看板をしみじみとながめて、句会場の「なにわ」さんに向かう。このあたりはよく歩く地域だが、いつもひとりだから飲食店に立ち寄ることは少ない。でも「なにわ」はふらりと腰を掛けられるお店のように思えた。翌日は日帰りで伊賀に行くので、さっさと帰途に就けばよいものをものを、例によっていつまでも秋の夜風にさまよう。神保町は裏切らない、まことに奥が深い。
古書店があれば歩をとめ秋の風
薄紅葉淋しくなりて腰を上ぐ
薄紅葉淋しと言ひて又歩く
末枯といふたまさかに揺るるもの
末枯の又うなづいてくれにけり
又逢へた又逢へた草紅葉行く