ある人に◆オリオンの辺りにぎやかなる師走 海紅
2014年 12月 18日
送られつ別れつ果は木曽の秋(芭蕉・更科紀行)
草いろいろおのおの花の手柄かな(芭蕉・笈日記)
→『古今集』(巻四・秋歌上)の「題知らず」「よみ人知らず」に「みどりなるひとつ草とぞ春は見し秋はいろいろの花にぞありける」「ももくさの花のひもとく秋の野に思ひたはれむ人なとがめそ」「月草に衣は摺らむ朝露にぬれてののちはうつろひぬとも」の三首が並ぶ。忙しく立ち働いたので、今年の秋の記憶は格別で、そして迎えた冬はいつも以上にさびしい。しかし、見上げる十二月のオリオンのあたりの星々が、明るく賑やかなのことには慰められる。Sさんも、Gさんもきっとあのあたりにいる。