講演◆芭蕉と蕪村―その郷愁をめぐって―(大垣市)
2015年 09月 18日
はじめに、山口洋子「ふるさと」、室生犀星「小景異情」、陶淵明「帰去来辞」にふれて、郷愁というテーマがいかに古くから繰り返し唱われてきたかを思い起こしてもらった。その上で、故郷に関して、芭蕉・蕪村に本質的な違いがあることを説き、心の反映である作品にも当然それはみてとれるという話をした。
使用した主な資料は「実兄宛芭蕉書簡」「幻住庵記」「実兄宛芭蕉の遺書」、「北寿老仙をいたむ」「春風馬堤曲」「柳女・賀瑞宛蕪村書簡」で、締めくくりに、講話の結論を援護してくれる芭蕉と蕪村の句(むろん秋の句)を味わった。
▶▶実は夕食会をするという誘いにしたがって前泊。夕食会のメンバーは昨年十月に「芭蕉はなぜ旅に出たのか」(企画展関連講座)という話をしに出かけた際に御世話になった人々と、その際に参加させてもらった句会の先生。翌日の講演は午後で、午前中はあいていたから電車でふらりと一人旅。終点の美濃赤坂で下車して法泉寺の芭蕉句碑を見て、美濃国分寺(青野)までは電車がないので、1時間歩いて念願の芭蕉塚を見た。坐骨神経痛の身にこの散歩はしんどかったが、講演会場でもてなされた水饅頭でその疲れもどこかへ。おすすめの茶菓である。
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