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姿情を求めて8◆古典で一番基本的な季寄せ

■正月=睦月(節気上は冬。明治時代以降の陽暦化に伴い、生活・行事の特殊性によって四季から分離独立。連句の付合においてはしばらく春扱いが穏当)

【時候(暑さ寒さ)】元日
【天象(空模様)】なし
【地理(土地の様子)】なし
【動物(動きまわるもの)】なし
【植物(根が生えたもの)】若菜
【生活(暮らし)】なし
【行事(儀式)】子日(若菜摘む・小松引く)

■春=立春から立夏前日まで(陽暦2月4日ころ~5月5日ころ)

【時候(暑さ寒さ)】立春・暮春(晩春)・永日
【天象(空模様)】霞・春月・春雨・遊糸
【地理(土地の様子)】残雪・春氷・
【動物(動きまわるもの)】鶯・帰雁・蝶・蛙・燕・雉子・雲雀
【植物(根が生えたもの)】梅・柳・春草・桜(花)・椿・菫・蕨・藤・躑躅・款冬
【生活(暮らし)】花(はなやか)・耕し・苗代
【行事(儀式)】雛祭

■夏=立夏から立秋前日まで(陽暦5月6日ころ~8月7日ころ)

【時候(暑さ寒さ)】暑し・夏の暮(夏夕べ)
【天象(空模様)】夏月・五月雨(梅雨)・白雨(夕立)
【地理(土地の様子)】清水
【動物(動きまわるもの)】時鳥・蝉・蛍・水鶏
【植物(根が生えたもの)】余花・新樹・橘・卯花・夏草・牡丹・杜若・菖蒲・早苗・青梅・百合草・若竹・撫子・夕顔・蓮
【生活(暮らし)】更衣・鵜飼・氷室・蚊遣火・扇・納涼
【行事(儀式)】仏生会(潅仏会、今は春季なれど)・端午・祭(賀茂祭、葵祭)

■秋=立秋から立冬前日まで(陽暦8月8日ころから11月6日ころ)

【時候(暑さ寒さ)】初秋・冷やか・夜寒・九月尽
【天象(空模様)】露・霧・稲妻・秋の空・野分・月
【地理(土地の様子)】秋田
【動物(動きまわるもの)】蜩・虫・鹿・蚋(ブヨ、ブユ。今は夏季)・雁・蛩(コホロギ)
【植物(根が生えたもの)】一葉・荻・桐・萩・木槿(ムクゲ)・槿(アサガホ)・草花・薄・女郎花・葛・菊・紅葉
【生活(暮らし)】砧
【行事(儀式)】七夕・盂蘭盆会(盆)

■冬=立冬から立春前日まで(11月7日ころ~2月3日ころ)

【時候(暑さ寒さ)】初冬・寒し・短日・師走(極月)・歳暮(年の暮)
【天象(空模様)】時雨・木枯・霜・冬月・霰・霙・雪
【地理(土地の様子)】氷
【動物(動きまわるもの)】水鳥付鴛・千鳥
【植物(根が生えたもの)】落葉・山茶花・寒草(カンサウ。枯草)・冬木立・早梅
【生活(暮らし)】鷹狩・冬籠
【行事(儀式)】なし

▶▶これは慶長年間(1596~1615)に成立(推定)し、「以後の連歌・俳諧の発句撰集の規範となった」(俳文学大辞典)とされる連歌発句撰集『大発句帳』(通称)。内容は春33題(2512句)、夏42題(1729句)、秋47題(1724句)、冬20題(1442句)、合計142題(7407句)から成る。その題を抽出し、季寄せふうに排列。ここから、増補・膨張し続ける現代の俳句歳時記の編纂意識を見直す手がかりを得ることを期待。影印は『連歌貴重文献集成(別巻3)』(勉誠出版)。翻刻と解説は森川昭『発句帳』(古典文庫456)。なお、『大発句帳』の価値については畏友M氏の教示を得た。

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by bashomeeting | 2018-02-27 17:42 | Comments(0)