この人の一句◆『船団の俳句』本阿弥書店刊
2018年 05月 04日
啓蟄やブラジャー買いに銀座まで 三池 泉
生きる途中土筆を摘んでゐる途中 鳥居真里子
青葉風そうだお墓を買うておこ 火箱 ひろ
がんばるわなんて言うなよ草の花 坪内 稔典
原発に一番近い草の花 藤野 雅彦
人の来て犬の出てゆく花野かな 河野けいこ
秋夜中カレーを混ぜるとき裸 朝倉 晴美
▶▶船団の会編『船団の俳句』(2018年3月30日、本阿弥書店刊)をいただいた。坪内稔典さんの「まえがき」から抽出した帯に〈近年、いろんなところで、「船団の俳句は……である」という言い方に出会う。……に入るのは、軽薄とかむちゃくちゃとか現代的とか。いずれにしても、否定的というか非難のニュアンスがある。もっとも、それは船団的だな、などと言われると少しうれしい。特色が出ている、ということなのだから〉とある。たしかにボクの行き方とは違うけれど、稔典氏の幅の広さと深さを知っているつもりだから、口語とか無季とかについて示唆を得たくて、いつものように読了。この人たちと連句を巻いたらどんなにか愉しいだろうと思った。
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