詩歌も絵画も、そして音楽も享受者(Person enjoying)のものです。よって、俳句に即していえば、読者が他人の作品に読み取るものは、知識や経験によってさまざまであるといってよい。
しかし、そのわがまま(selfishness)を作者が仕込んではいけない。助長させてはいけない。和歌の歴史の掛詞や縁語などという言語遊戯を繰り返してはいけない。つまり、ことばを信じて、平明に表現しなければいけない。ボクらはわずか十七拍の舟で旅をしているのだから。
▶▶『たしなみ俳句会報48』(2019.1.12)による。ただし、結晶度を高めるために修正を加えている。