断捨離◆俳句の心得に似ている
2021年 02月 22日
かなしみはいつも
坂村真民
かなしみは
みんな書いてはならない
かなしみは
みんな話してはならない
かなしみは
わたしたちを強くする根
わたしたちを美しくする花
かなしみは
いつも枯らしてはならない
いつも噛みしめていなくては
ならない
▶▶教職から解放されて、ほぼ2年が過ぎようとしている。最初の1年は逢いたい人に逢いに行ったり、まだ行ったことのない土地を選んで旅をして過ごした。ところが、2年目はほとんど山房に引き籠もっている。いうまでもなく、地球規模の感染症の流行がその理由。断捨離は嫌いな言葉だったが、いきおいそれと向き合わざるを得ない毎日である。すると不思議なもので、捨てることが少しずつ快感になってきた。掲出の一文も断捨離中にひょこり出て来たもの。数年前に、通勤途中にある曹洞宗の医王山妙清寺(文京区白山5-33)門前に書き出してあるのをメモしていた。不明にして、坂村真民(サカムラ・シンミン)なる人を知らなかった。明治42年(1909)に熊本に生まれた国語教師で、一遍上人を敬愛して 仏教詩人と呼ばれているらしい。