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紹介◆日本文学研究ジャーナル(No.18)

 『日本文学研究ジャーナル』(No.18)をいただいた。「気鋭の日本文学研究者責任編集」と銘打つ季刊誌で、今号は佐藤勝明・中森康之両氏の編集。すなわち、「蕉門と蕉風」を特集する。(株)古典ライブラリー発行。
 内容はまず堀信夫先生の巻頭エッセイ〈『田舎の句合』『常盤屋の句合』の再評価〉を置き、中森康之〈「蕉風」の眩暈 ─「芭蕉流」という視点から見えるもの─〉、佐藤勝明〈蕉門の付句 ─芭蕉・其角・支考と元禄俳諧─〉、稲葉有祐〈「贈晋渉川先生書」再考 ─其角と不易流行をめぐって─〉、福田安典〈門・風の倫理〉、川平敏文〈洒落・平淡・かるみ ─蕉風俳論と宋代詩論─〉、髙井悠子〈芭蕉晩年における伊賀蕉門の役割 ─俳諧理念の模索と人材育成─〉、金子はな〈惟然と芭蕉俳諧の理念 ─俳論「詼諧非芸」の意義─〉、伊藤善隆〈『蕉門格外弁』の検討 ─蕉門探求の一階梯─〉、寺島 徹〈中興期俳諧の「蕉門」史観についての一考察 ─吉川五明の『小夜話』を手がかりに─〉と壮観。早速巻頭エッセイから読み始めたが、なかなか濃い。エッセイの語義には論述(論説)の意があるから当然ではあるが。
 岩波の『文学』、至文堂の『解釈と鑑賞』、學燈社の『国文学』等々が事実上の廃刊状態で、このところ研究誌に飢えている。今秋の読書の愉しみにしたいと思う。


by bashomeeting | 2021-07-28 17:40 | Comments(0)

芭蕉会議の谷地海紅(快一)のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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