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ふたりの俳諧師

  ― 海紅先生が出ているよ。
  学会誌の出張校正の部屋で、K先生が悪戯っぽく笑いながら別所真紀子著『古松新濤』(都心連句会・湘南吟社)という書を私に示した。「昭和の俳諧師 清水瓢左」と副題があるので、「古松新濤」という書名にこめる思いがわかった。松濤軒瓢左翁の一代記である。
 清水瓢左先生は昭和六十年に九十歳で亡くなった連句人である。俳諧を松濤軒柳斎・根津芦丈に学び、松濤軒を継いで三世・芦丈の抱虚庵を継いで六世を名のった。東明雅先生は名刺に「俳諧師」とだけ肩書きしていたが、瓢左翁も俳諧師の一語にふさわしい生涯を送った。
 その最晩年に、私は瓢左翁の連句指導を受けて、軒号を与えられた。江戸俳諧の命脈を受け継ぐかけがえのない人に学んでおこうという、村松紅花先生のすすめに従ったもので、池田紅魚君と一緒であった。『連句辞典』(東京堂出版)のお手伝いをした縁で、東明雅先生の連句の座にも何度か連なったが、この二人の俳諧師は似ているようで、似ていない。瓢左翁は江戸俳諧師の切絵のような人で、明雅先生は切絵師のような方であった。
by bashomeeting | 2006-09-21 10:07 | Comments(0)

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