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月の仏となり給へ

 名月の夜にJ君が亡くなって、ふた七日が過ぎた。三十九歳であった。東京下町の人の好さとは、こういう優しさをいうかと思える男で、何年御無沙汰しても、再会すれば私のゼミにいたころのままの彼であった。好きな女がいると言いながら、何年も一緒にならないので心配したが、ついには一途を通して結ばれ、細君はいま二人目の子を宿していると聞いた。去る五月の芭蕉会議発足の集いに誘ったところ、私のわがままを聞いて、細君と息子さんを同伴してくれた。それが最後であった。無理に誘っておいてよかった。通夜の月は美しく、彼の友人らと思い出の街にくりだし、みんなでたくさん泣いた。

月の友月の仏となり給へ    海紅
Commented by 椎名美知子 at 2006-10-24 08:54 x
あの人が・・・。あの日お目にかかった幸せそうなお3人の姿が目に浮かびます。ちょっとっ無骨に見えて・・・・奥様のお顔、男の子ともちょっとお話したのでなおのこと・・・・・。辛いですね。            
ご冥福をお祈りします。
by bashomeeting | 2006-10-22 16:28 | Comments(1)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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