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漂流と漂泊

 貞享四年(一六八七)の冬に、芭蕉は流謫の身にあった門人杜国を伊良湖岬に訪ねて、
       鷹一つ見付てうれしいらご崎   (笈の小文)
と喜んだ。また、明治三十一年(一八九八)の夏には柳田国男が伊良湖に滞在し、そこで得た椰子の実の話を島崎藤村に語って、国民歌謡「椰子の実」(藤村『落梅集』)が生まれた。
 だが、鷹と椰子の実ではものが違う。いかに遠き島から流れ着くとはいえ、椰子の実が海に漂うていても漂泊とは言えず、せいぜい漂流であろうか。漂泊とは精神のことなのである。
Commented by 椎名美知子 at 2006-10-24 14:27 x
「漂白の旅」は、日ごろ、なかなか出来ない旅かもしれません。
こんな旅が持てるのは、幸せな人間なのかもしれません。明日には何気ない日常に戻っているかもしれませんが、今の今の気持を消えてしまわないうちにと、パソコンに向かっています。
あとで、この旅で見つけたものの大きさに気づくかもしれません。
ありがとうございました。
Commented by 椎名美知子 at 2006-10-24 17:17 x
誤字訂正です。漂白→漂泊です。いつものことながら、そっそかしくて・・・

先生が平成14年に下さったお便りに
  心と身体と共にある=詩が書ける時がたまにあるあなたや私は仕合   せ者であります。
と書いてくださったこと、大事にしています。
by bashomeeting | 2006-10-23 14:35 | Comments(2)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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