ミニ四駆の大会に出るという息子とその友達の付き添いとして、朝早くから品川シーサイドへ出かけた。子どものころに、こうした資金のかさむ遊びをしたことがないボクは、息子やその友だちから見ても、不機嫌な保護者に映っていたに違いないが、こうした生活の一齣も文学そのものであると考えているボクは、ボクなりに彼らの心地よい一日を支えたつもりである。すなわち、会場を眺められる距離にある喫茶店PRONTOで、百八十円のコーヒーをお代わりしながら、秋櫻子の「自然の真と文芸上の真」をほぼ読み終えた。そして、多くの優等生は、こんな文章によって俳句の近代が始まったと考えてきたのかと落胆するばかりで、読後感は不快であった。帰途、晩秋の満月がくっきりと見えている。この月を見たことで、今日は是としようと思う。