雲という存在
2007年 02月 06日
雲
丘の上で
としよりと
こどもと
うつとりと雲を
ながめてゐる
おなじく
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきさうぢやないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平の方までゆくんか
山村暮鳥のこの静けさは浄土だ。こんな美しい時間はどこにでもあるようで、実は一度も出逢ったことのない景色だ。八木重吉もそうだが、彼らの世界は研究などという賢しらを拒む〈存在〉そのものと言ってよい。居てくれればよい、在ってくれればそれでよい。

夕焼けの美しい今日この頃、八木重吉の詩を思い出しました。
夕焼け
ゆう焼をあび
手をふり
手をふり
胸にちさい夢をとばし
手をにぎりあわせてふりながら
このゆうやけをあびていたいよ
今日は丘の上でしばし豊かな時間を過ごしてみたいと思います。
大好きな詩の登場、ありがとうございました。