芭蕉会議の兼題句会「鳩の会」は、まもなく「わくわく題詠 鳩の会」という名称に変わる。その最近の題「桑摘」の出句に「五齢」という語があって、その意味がわからなかった◆八月の末に作者のMiyukiさんにお目にかかる機会があったので尋ねたら、わかりやすく図解してくれた◆幼虫が繭を作り始めるまでに一齢から五齢までの脱皮があって、つまりサナギになる前の最終段階。身体と首を上下に振り上げ、振り下げする姿は可愛らしいのだという◆こんなことを知らなかった自分を恥ずかしく思って、少し調べてみたら、毎年庭先で見守っている揚羽蝶が、羽化する前の姿に似ている◆「鳩の会」の出題は現在では馴染みの少ない難題が多いと嘆かれることが多いけれど、こうして懐しい日本語をわがものにするよろこびは捨てがたい。
紙切れに一語教えて爽やかに 海紅