「フォト五七五」のゆくえ
2007年 09月 30日
番組の出演者は、愛想のよい俳人、控えめな写真家、決めつける物言いが癖らしい作家、そして素人役を仰せつかったらしい女優(と思われる人)など個性に富んでいて、ディレクターのキャスティングの腕がうかがわれた。つまり、出演者の役柄自体に「玄人」と「素人」とをこきまぜて、俳諧という文芸がプロとアマとの境界の見えにくい世界であることに配慮してあった。紹介される作品が、優劣とりまぜたものである点も心憎い知性である。むろん、だから選者としての品質はなおさら問われ続けなければいけないのだが、TVという媒体には限界もあろう。
ともあれ、三月末のこの番組で、古典における「付合の心」を紹介したボクとすれば、今回の作品は以前に比べてまばゆいものばかり。「俳句」「短歌」などと同じように、だれか「フォト五七五」というジャンルにふさわしい名前をつける人は出てこないであろうか。