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人としてとどまる所にとどまらずんば…

 近松作品の講読は時代物『世継曽我』と世話物『曽根崎心中』『心中重井筒』『心中天の網島』の三篇を読み終えて、いま『国姓爺合戦』の第二場に入ろうとしている。それは「緜蛮(めんばん)たる黄鳥(くわうてう)丘隅(きうぐう)にとどまる。人としてとどまる所にとどまらずんば、鳥にしかざるべしとかや」と始まる。〈美しい声で囀る鶯は丘隅の木々といったその止るべき所をよく知っている。まして人としてそれに相応しい所に留まらなかったなら鳥にも及ばないといえる〉(新潮古典集成『近松門左衛門集』頭注)という意味で、経書の『詩経』や『大学』にある帝王学で「詩云。緡蛮黄鳥。止于丘隅。子曰。於止知其所止。可以人而不如鳥乎」を写したもの。君に帝王学は無縁だが、今どこにいるのか、そこが相応しいところかどうかは常に考えねばならない。
by bashomeeting | 2008-06-22 11:22 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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