最近和洋詩歌考現学6 ―教材◆重なるまなざし
2008年 07月 15日
雨 たかはし ひろゆき(小6)
雨 ふってきた、
雨 ふってきたぞ、
雨 おらたちまっていたんやど、
雨 ふってきた、
雨 おらたち水なくてこまっていたんやど、
雨 おらたち〔 〕まっていたんやど、
雨 〔 〕の気持わかったな
雨 いねよろこんでいるど、
雨 おかぼよろこんでいるど、
雨 やさいよろこんでいるど、
雨 えれえど、
雨 ふってきた、
雨 ふってきた、
雨 今はつゆだなあ、
雨 自分のじきだから太陽なんかに勝ちまったなあ、
雨 ふってきた、
雨 おらたちまっていたど、
雨 えれえど、
雨 えれえや、
雨 おらたち〔 〕まってたど、
雨 おらたち〔 〕こまってたんだ、
雨 えれえぞ、
雨 もっとふれな。
―真壁仁編『詩の中にめざめる日本』(岩波新書)より―
質問です!
〔 〕は、みな同じ言葉が入るのでしょうか。
親御さんたちがどんなに雨を待っていたか、農家の昔ながらの大家族が見えるようです。みんなで雨が降らないと、今年の米の出来はおぼつかないなどと、空を仰いでいたのでしょうね。自然を畏敬する親たちの姿が見えます。
敬意をあらわす対称代名詞の〔ぬし〕じゃないかと思いましたが。
自然と一緒になって、ここは
すがすがしい詩を久しぶりで読んだ気がしました。