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『二松俳句』の魅力

 矢羽勝幸氏御指導の『二松俳句』28号(二松学舎大学矢羽研究室)が届いた。矢羽さん、二村博さん師弟の手で、近世の「付け廻し歌仙」資料が紹介されている。大谷弘至氏による『春秋庵幹雄家集』の翻刻も始まった。いずれも従来の研究史が看過していた問題意識である。
 二松俳句会は二松学舎関係者による俳句愛好者の機関である。だから俳句会の成果である学生や大学院生の俳句がたくさん掲載されている。そこに仲良く先掲の研究成果が並んでいる。このような雑誌、つまり実作と研究とが同居するものはめずらしい。そして懐しい。かつては多くの俳句雑誌がこうであったが、現在は実作と研究とがきれいに棲み分けてしまって、今では少数派と言えるのではないだろうか。少数派を堅持できる理由は、ひとえに矢羽さんの学識による。ここに伝わる古くて新しい鼓動をうらやむ。
by bashomeeting | 2008-07-29 11:37 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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