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独り善がりを避ける道

 自分流を主張して憚からない人は別にして、仮に独り善がりがまずいと思う人はどうすればよいか。その答えはしかるべき師匠に入門して修業することである。文学などという言葉が生まれる以前から、俳句は芸事であって、文学に取り込まれて以後も、その芸事の部分を抜きにしては成り立たない。つまり、踊りや琴や三味線、あるいは茶道・華道・剣道・弓道・柔道など同じく、修業の必要な世界なのだ。芭蕉は北村季吟から俳諧式目『埋木』の伝授を受け、蕪村は早野巴人の内弟子となり、一茶も葛飾派の素丸ほか複数の俳諧師に師事した。それは手間とお金のかかる世界である。しかも〈しかるべき師匠〉、つまり師事するに足る俳人との出逢いが容易ではないという現実もあろう。とはいえ、自分流を主張するのは、やはり修業を経た上のことでなければなるまい。
by bashomeeting | 2008-08-02 10:23 | Comments(0)

芭蕉会議の谷地海紅(本名は快一)のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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