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一篇の詩◆金川茂

 金川茂君から暑中見舞いが届いて、そこに三十五篇の詩が添えられていた。忙しそうだが、時間のあるときに見てくれ、とある。彼には平成十四年(二〇〇二)に『森とさかな』(石川書房)、『ナナのソネット』(同)という二つの詩集がある。銷夏の薬効があった一篇を掲げて、お礼の代わりとしよう。

    森
森の中に分け入ってゆくと ひとの匂いがしなくなるのです
森に育てられ恵みを受けたのは私たち人間ですが

時々昆虫と草木の匂いに混じって
仄かにどうぶつの 吐息がするのです

鬱蒼とした森の中は暗くて 水のせせらぎが何処からか
かすかに響いてくるのです

それは無数の木々が呼びかけている
樹液のせせらぎです

私も森に入る時は
ひとをやめて どうぶつに戻ります
by bashomeeting | 2008-08-02 16:51 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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