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芭蕉の死生観◆俳諧講座始末

 文芸に限らず、一般に芸術活動の産物である作品は、〈AはBである〉という命題によって要約できる主題を持っている。それは作品の分量にかかわらずひとつあるはずだ。しかし『おくのほそ道』の主題は以下のような七種の見解が併立したままである。

1,「不易流行」という世界観の提示。
2,「不易流行」という世界観、及びその根本理念に基づく蕉風(詩精神)の提示。
3,「造化随順」思想に基づく自然と人生への賛歌。
4,風雅に徹して生きようとする人間の理想像の提示。
5,『伊勢物語』の延長線上に、元禄の「東下り」を描いたもの。
6,奥羽の自然描写を主眼に、人事面では「恋」を描いたもの。
7,中心主題はなく、小主題(意味の焦点)を並立的に展開したもの。
               ―堀切実編『「おくのほそ道」解釈事典』東京堂出版による―
 
 これらを整序することは大して難しいことではない。君の卒業論文に期待していることは、根幹では矛盾することのない、これら七点を秩序立てて整理することである。
by bashomeeting | 2008-08-21 10:15 | Comments(0)

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