茅屋の庭の臘梅の蕾をヒヨドリが食べに来る。ここ半月ほど、それをなんとなく悲しんで見ている。花数が減るのはやはり残念なのである。今朝はそのヒヨドリが来ていないと思って見ていたら、代わりにジョウビタキ(尉鶲)が枝を揺らせていて、ヒヨドリは少し離れたモチノキの枝からその様子をうかがっていた。ジョウビタキは美しい赤錆び色の腰と尾を持ち、翼に大きな白い斑点があるので紋付鳥の異名もある。そのせいか、正月には年賀の客のようにも見えておもしろい。年中わがもの顔のヒヨドリも、それで一目置いてながめていたのかしらん。
柴刈と鶲一日中あそぶ 杉崎句入道
ジョウビタキは人を恐れないばかりか、自分より何倍も大きいヒヨドリをも寄せつけない威厳があるようだ。