実際の景色、事物などを見たままに絵に写し取ること。また、客観的な描写を主とする態度で、短歌、俳句、文章についてもいう。*文明本節用集「写生 シャセイ 云絵書也」*随筆・胆大小心録-六七「心底に写生をこころへて、術は牧溪などが筆法で、骨があった」*和英語林集成(初版)「Shasei(シャセイ)ノエ 」*郊外〈国木田独歩〉二「彼老爺さんを写生(シャセイ)すると宜かった」*破戒〈島崎藤村〉一八・四「暫時準教員も写生の筆を休(や)めて眺めた」*書言故事-画者類「黄簽父子画花、妙在賦色、用筆極彩、不見墨跡、但以軽色染成、謂之写生」(下略)
―以上『日本国語大辞典』による―
〔文明本節用集〕室町時代に成立した国語辞書の一。節用集類では現存最古のもの。書名は書中の「文明六年」という記載による。西暦一四七四年にあたる。
〔胆大小心録〕文化五年(一八〇八)に成立した上田秋成の随筆。
〔和英語林集成〕慶應三年(一八六七)に刊行されたヘボン著の和英・英和辞書。