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田舎で働き隊!

 千年さんから「田舎で働き隊!」事業を紹介する手紙をもらった。この事業は土佐の森・救援隊という特定非営利活動法人がおこなっているもので、何らかの事情で就業の機会を失っている人や、「森」からみた中山間地域における人と自然の共生という問題に関心を持つ人に参加を呼びかけている。こうした事業が確かな展開をみせることを心から祈りたい。
 「村おこし」「地方自治」「地域再生」など、きわめて今日的な問題で深刻だが、そもそもこの問題を深刻にした最大の原因は、長い間〈田舎、つまり生まれた場所では食べていけなかった〉という現実にある。それで、食べてゆくために都会に出たその人々が、いま会社・工場そして工事現場でさえ食べていけない現実にあるからといって、食べるために山川草木や海浜に戻ったりはしないだろう。集団就職で郷里を離れ、東京へ、大阪へと出て、爪に火をもすようにして生活の安定をつかみ取った時代を知っているボクはそんなふうに思う。
 地域活性への仕組み作りの大切さはいまに始まったことではない。しかし、それがうまくいかなかった理由は、地政という公共事業の哲学がなかったからだ。それがなければ、いつまでたっても人は寄らないだろう。暮らしに誇りをもてないのだ。六十五歳以上の高齢者が住民に占める割合が五十パーセントを超えて、集落内で存在できるかできないか、という限界に近づいている集落を「限界集落」という。この言葉を教えてくれたのは他でもない千年さんだった。だが限界なのは集落ではなく哲学だ。自然と共生するためのトータルプラン、要するに地政という哲学を持たない政治が限界なのだ。
 郷里の北海道を独立国にしたい、という妄想をいだいた貧しい十代をふと思い出した。そして、いま「妄想」と書いてしまったことで、とても悲しい気持ちになっている。

  豆打つも畑打つも老余呉百戸  浜岡 延子
  国貧し大学貧し卒業す      高野 素十
by bashomeeting | 2009-03-11 10:55 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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