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写生2

 芭蕉の俳諧を興すや努めて實景實情を敍し敢て架空の理想に趨るを許さず。元禄俳諧の高潔古樸後世の企及すべからざるもの實に此に在り。然れども一個人の境遇は變化限りあり。(略)蕪村は芭蕉の後百年に出で始めて濶眼を理想界に開けり。是に於て紛々たる今古の人事雜然たる天然の風光千様萬態一として蕪村の俳句に上らざるなし。(略)幾百年前の事を眼前に目撃するが如く敍するは詩境を活動せしむる良法にして蕪村の創意に属す。(略)蕪村の俳句は詩趣に於て變化自在を極めたるのみならず句法勁拔遒錬善く其詩趣に副ひたるが如き亦空前絶後の一人なるをや。
  ―以上、子規「俳諧と武事 与謝蕪村」 新聞『日本』(明28・1・1)による ―

〔蕪村〕画家・俳諧師。享保元年(一七一六)~天明三年(一七八三)十二月二十五日、六十八歳。摂津の人。谷口氏(谷氏とも)、のち与謝氏。初号宰町(宰鳥)。庵号夜半亭(二世)・紫狐庵・落日庵。別号溪霜・嚢道人ほか。画号子漢・四明・朝滄・趙居・謝長庚・謝春星・謝寅ほか、孟溟・魚君・老山・三菓軒・碧雲・虚洞・雪洞・白雪洞など。句文は『蕪村句集』『蕪村遺稿』『新華摘』『蕪村翁文集』等に。
by bashomeeting | 2009-03-14 11:38 | Comments(0)

芭蕉会議、谷地海紅のブログです。但し思索のみちすじを求めるために書き綴られるものであり、必ずしも事実の記録や公表を目的としたものではありません。


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